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悪人  映画

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「悪人」

原作・脚本/吉田修一
監督/李相日
出演/妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、樹木希林、柄本明、他。......バスの運転手役で「モロ師岡」、タクシー運転手役で「でんでん」もね。

あらすじ/
長崎在住の清水祐一は、博多で働く石橋佳乃と待ち合わせをしていた。しかし、待ち合わせ場所で佳乃は他の男の車に乗って行ってしまった。佳乃を追いかけた祐一は、福岡県の三瀬峠で彼女を殺してしまう。その後、長崎でいつも通りの日常を送っていた祐一は、以前出会い系サイトでメールをやりとりしていた馬込光代という女性と会うことに。ホテルでお互いを求めあった後で、祐一は光代に佳乃を殺したことを告白するのだが…。(goo映画より抜粋)




祝!
深津絵里さん第34回モントリオール世界映画祭最優秀女優賞受賞!!


正直に申し上げますと、わたくしベストセラーになっている原作の「悪人」は未読でございますし、深津絵里さんが賞を獲ってなかったら、まず劇場に足を運ぶなんてことはなかったと思います。予告編でチラッと見た限りでは「レンタルになってからでもいいかなぁ」と.....

しかし「賞を獲った」事によって俄然興味も湧いてきましたし、賞を獲る程の演技とはどんなもんなのか、と確認の意味も込めて二条のシネコンへ行ってみる。そうすると、レイトにもかかわらずほぼ満席。きっと「賞」効果なんでしょうね〜わたしも含めてみなさんミーハー♪

確かに、深津絵里さんは素晴らしい。そりゃ賞も獲るでしょうよ、というぐらいの見事なものでしたし文句のつけようがございません。それに対し、妻夫木聡への評価はどうなってるんでしょうか?外国人記者に「あなたのような風貌で悪人を演じるのはちょっと無理があるんじゃね?」と突っ込まれたりしてたらしいですが、この映画での妻夫木聡の演技は賞を獲ってもおかしくないぐらいのもので、ダブル受賞してもよかったんじゃないかと思うぐらいです。

テレビでも散々放送されておりました妻夫木クンの「役作り」。いや本当に「なりきっていた」と思いますよ。わたしにはしっかりと「悪人」に見えました。

しかし「悪人」とはいえ、どうしても僕には「人を殺した犯罪者」として突き放して見る事ができなかった。

それは、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の「デカローグ」の中でも一番といってもいいぐらいに飛び抜けた傑作であり、その後劇場公開になった「殺人に関する短いフィルム」を観たときと同じ感覚。この映画の中で人を殺してしまう主人公・ヤツェクと通じるところがあるんですな、「悪人」の清水裕一とは。

どうしようもない孤独と、内に秘めた底知れぬ闇。もがき苦しむ声にならない「嘆き」。

そういう「孤独な魂」に共鳴してしまうのか、わたしにはヤツェクも裕一も「人殺し」の一言で片付けてしまう事ができない。
「悪人」の劇中で、その魂に共鳴して急速に惹かれていく光代もまた孤独で深い闇を抱えている。自首しようとする裕一を引き止め、二人して逃避行してしまうのはただ単に「離れたくない!」という彼女自身のエゴ.....「欲」なんです。これもまた罪深く、光代にも「悪人」はあてはまる。

そしてこの映画で最も重要なのは、裕一に光代という「大切にしたい人」ができた事により、初めて自分の犯した罪の重さに気付く、というところです。

「あたし初めてズル休みしちゃった♪」などと幸せモードの深っちゃんの前で、ガタガタ震えながら告白をする妻夫木クン......本当に「もっと早く出会っていれば」こんなことにはならなかった。遅過ぎたのだ。

この殺人事件の全貌が明らかになるにつれ、「コイツが一番悪い」という決めつけができなくなっていく。そういう居心地の悪さがこの映画のキモであり、最も伝えたかったところだと思う。誰しも「悪人」。悪くない人など居ない。殺されてしまった佳乃には申し訳ないが、相当にイヤな女だったし.....いやホントすまん。あんたイヤな女だ。
そんな佳乃を山の中に置き去りにしてしまう老舗旅館の御曹司・増尾圭吾は、他人を蔑み笑うことでしか自分をアピールできない可哀想な男で、劇中最も「コイツ死ねばいいのに」と思ったんだが、佳乃の父親に手を上げられなくとも、コイツはそのうち周りから見放されていくだろうな....

孫が事件を起こした最中に悪質な詐欺にひっかかる樹木希林。息子を捨てた余貴美子。復讐に燃える柄本明。

深っちゃんと妻夫木クンの演技ももちろん良いのだが、こういった「周りの人々」の名演に助けられてる感もあるなぁ......単なるちょい役の「モロ師岡」「でんでん」も、主演の二人を引き立てておりますよ。モロさんはもう「名バイプレーヤー」の域にまで達している激シブの役者ですが、最近「でんでん」さんもいいよね。「ゴールデンスランバー」での堺雅人さんとの絡みは最高に面白かったし。

なんだかんだ言ってこの物語の主軸は深っちゃんと妻夫木クンの「絶望的な逃避行」に絞られているわけで、たった数日の間に人生の全てを注いだ全力投球の「愛」に心を打たれる。あのラストシーンの美しさと切なさ。誰も味方しない、二人だけの世界。

決して長続きするわけがないのだけど、この瞬間が永遠だったらいいのに。

と柄にもなく乙女な気持ちになってしまいました。
未見の方は是非とも深っちゃんと妻夫木クンに会いにいってやってください!



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